歯が溶けやすい飲み物、溶けにくい飲み物~乳幼児~

飲み物のよってはむし歯のリスクがあがることは皆さんなんとなく知っていると思います。砂糖の量に比例してむし歯になりやすなるだろう、と思っているでしょう。
そのとおりなのですが今回は砂糖だけではなくPHから飲み物を見ていきたいと思います。今回は乳幼児が好むものを考えていきます。

歯の外周を覆っているエナメル質はPHが5.4より低いと酸性の環境となり溶け始めます。

(ちなみに中性は7.0。
低ければ低いほど強い酸性、高ければ高いほどアルカリ性となります。
アルカリ性になることはほとんどなく酸性になりむし歯が溶けていくと考えてください。)

乳幼児の飲み物は大まかに、イオン飲料、果汁、お茶、に分けられます。
イオン飲料、果汁(100%を含む)はほとんどがPHでは3~4となります。
その他にカルピスや乳酸菌飲料も3~4のことが多いようです。
要は歯が溶けるPHであるということです。

特にペットボトルの飲料は1回で飲み切ることはあまりなく再びキャップをしてまたしばらくして飲むことが多いです。
そのため雑菌が繁殖しにくいようにPH3~4に調整することが多いようです。
これに対し飲みきりサイズ(125mlなど)は雑菌繁殖防止の酸化防止剤が少ない傾向にあり、PHも大きく歯が溶けにくいことが多いようです。
またお茶はPHが6~7と歯が溶けないので安心と考えられます。


ではなぜPHが低いものを飲んでもすぐにむし歯が出来ないのでしょうか。
これは唾液が強く関係しています。
唾液は酸を中和する作用、歯の表面を洗い流す作用があるのですぐにはむし歯にならないのです。

→唾液のはたらき

しかし頻繁にPHの低い飲み物を飲むと唾液の中和も追いつかなくなりむし歯が出来てしまいます。
また寝ているときは唾液の量が減りますので飲んだまま寝ると非常にむし歯が出来やすくなります。
小さなお子さんは汗をかきやすく水分補給はとても大切ですし好きなものをとりあげるのもかわいそうです。
親御さんがちゃんと飲ませる時間を管理し、その後の歯磨きも実践しましょう。

 

2017年09月11日