唾液にはじつは沢山の働きがあります。
今回は前回と違いその成分からみていきましょう。
①もともと口の中は酸性、アルカリ性、中性で言うと中性です。
飲食をするとこれが酸性に傾きます。
このままだと歯は溶けてしまいますが唾液に含まれる重炭酸イオンがお口の中を中性に戻してくれます。
②歯の成分は唾液中に溶けだしてしまいます。
これを再び歯に戻され歯は補修されていきます。
(フッ素はこの作用のスピードを上げより硬く強くする作用があります)
③細菌感染から守ります。
口は細菌感染の入り口となりやすいです。
唾液に含まれるIga、リゾチーム、ラクトフェリンが細菌の活動を抑制します。
このように唾液にはとても重要な成分が含まれています。
皆さん唾液って意識したことあります?
なんか汚いとか、飲み込みやすくするためでしょ、なんて思われるかもしれませんが様々な働きがある機能水なのです。
99%は水ですが残り1%に大切な役割があるのです。
まずが潤滑作用、粘膜保護作用があります。
食べかすや細菌をを洗い流して、清潔に保ち、粘膜に潤いを与え傷つきにくくします。
では成人のかたはどのような歯ブラシを使うのがいいのでしょう?
歯周病予防には歯と歯茎の境界の溝歯周ポケットのプラークの除去が重要です。
この場合は細く毛先の長いテーパードタイプの歯ブラシがおすすめです。
毛が柔らかくてもこしがあり歯ぐきが傷つきにくいものがいいです。
歯と45度の角度で溝に差し込むイメージで磨くのがいいでしょう。
どのように歯を磨くのが効果的でしょうか。
大きく分けて2つあります。
一つは特に若い人、子供向けのむし歯予防。
若い人やお子さんはむし歯が進行しやすいので注意が必要です。
歯ブラシは毛先がフラットなデッキタイプを使いましょう。
歯と歯の間は歯ブラシだけではとれないのでデンタルフロスを使いましょう。
以前バイオフィルムのなかに沢山の細菌がいてこの中のむし歯菌がむし歯を引き起こすと書きました。
この中にはむし歯菌の他に歯周病菌も沢山います。
この歯周病菌は歯ぐきに悪い毒素を放出します。
これがはじめは歯ぐきの表面の粘膜を、そのままにしておくともっと奥にある歯ぐきの骨を壊していきます。
この骨は歯を支えています。
歯の周りの骨が溶けるとそこは炎症の起きた歯ぐきの肉に置き換わってしまいます。
肉では歯を支えられず咬めなくなってしまうというわけです。
このようにむし歯だけでなく歯周病も引き起こしてしまいます。
以前バイオフィルムという膜に覆われたむし歯菌がむし歯をつくると書きました。
ではバイオフィルムはどのようなものでしょうか?
これは細菌が作る多糖体の丈夫な膜です。
お風呂の排水管のヌメヌメと同じようなものです。
排水管のヌメヌメはシャワーを流しただけではとれずこすったり洗剤で洗わないと落ちませんね。
あのようなものが歯にくっついているのです。洗剤のように強い薬は当然口の中に入れられません。
そこで歯ブラシで掃いて落とすことが必要になってくるのです。バイオフィルムが熟成して強固にくっつくのには3~4日かかります。
毎日磨いても全て取りきるのは難しいです。
なので毎日歯みがきをする必要があるのです。
毎日歯みがき頑張っているのですが・・・
それでもむし歯ができる方がいらっしゃいます。
どこが悪いのでしょう。
まず歯みがきをなぜしているかよく考えましょう。
歯磨きの目的は歯の汚れをとることです。
この汚れはバイオフィルムという膜に覆われており、中にむし歯菌をたくさん抱えて歯に強力に密着しています。
このバイオフィルムはブクブクしたくらいではビクともせず張り付いたままです。
これを歯ブラシで掃いて取ろうというのが歯みがきです。
ですからむし歯になるのはバイオフィルムが取れていない、ということになります。
また次回具体的な話をあげていこうと思います。
アスリートや運動部のかた、また日々体を動かしてトレーニングをしている方は体が丈夫であると思われがちです。
しかし、こと感染症に関してはかかりやすいという一面があります。
それはトレーニングにより体力が奪われ、免疫力が下がってしまうからです。
免疫力が下がると感染症にかかりやすくなります。
代表的なものでは風邪やインフルエンザにかかりやすくなります。
そして歯ぐきが腫れる歯周病、歯肉炎も細菌の感染症なのです。
歯周病、歯肉炎を防ぐのは歯みがきです。
歯と歯茎の境目にたまった汚れが細菌の塊なのでこれをしっかり歯みがきで取り除くことが大事です。
そしてもう一つはこびりついた歯石です。
この中にも細菌がびっしりいるので定期的に歯医者で取り除いてもらいましょう。
アスリートの皆さん、また部活を一生懸命やっている皆さんお口の中は大丈夫ですか?
今回から運動を一生懸命やっている方々が注意すべき点をあげていこうと思います。
じつはアスリート、スポーツ愛好家ならではのむし歯、歯周炎になりやすい理由があるのです。
①激しい運動で口呼吸になりやすい。
そのため唾液が乾き、唾液による歯の修復能力が低下しやすい。
また汗に水分がとられ唾液の分泌が減る。
②疲れと空腹で糖分を取りがちになる。
飲み物も含み1日3回以上とるとむし歯のリスクは上がると考えられている。
③スポーツドリンクの酸が歯を溶かしやすい。
④その他 疲れて歯科の受診が後回しになる、寝る前の歯磨きがおろそかになる。
などが考えられます。
新型コロナウイルス感染拡大防止を第一に考え現在当院でも治療を制限しています。
口腔内の状態の悪化が考えられる、痛みがある、治療の中断ができない、これら以外の患者さんは今は治療を受け付けていません。
特に歯周病検診、妊産婦検診などは現在行っていません。
CDC、日本歯科医学会のマニュアルに基づいた感染症対策は日ごろから十分行っていますが現在はそれ以上に細心の注意を図って行っております。
よろしくお願いします。
歯医者は痛い、よく聞く話ですよね。
そこで出来るだけ痛みがでないように麻酔の注射をします。
しかしこの麻酔の注射も痛いことがあります。
痛みが少ない注射のポイントは3つです。
痛みをあまり感じない所に打つ。
これは歯科医が場所を選んで刺します。
(前歯あたりは敏感なので痛みやすいです)
出来るだけゆっくり打つ。
急激に入れると圧が高まり痛いです。
機械式の注射器を使いスピードをコントロールします。
そして細い注射針で打つ。
当たり前ですが太い針では痛いですよね。
新しい注射針がでました。
今までは当院では33G(ゲージ)という太さの針を使っていました。
今まで市販では最も細い針です。
最近もっと細い35G がでましたのでこちらを使うようになりました。
ちなみに33Gは直径0.26ミリ、35Gは直径0.23ミリです。
上の写真では左が33G、右が35Gです。
ほんの少し0.03ミリしか変わりませんから写真ではほとんどわからないぐらいですが実際に針を刺すとあきらかに抵抗が少ないです。
痛みはこちらのほうが少ないです。
これでも痛みがでてしまう場合はありますが出来るだけ痛まないように治療をしています。
歯石などをクリーニングしてとり炎症の原因を取り除くことが必要と以前書きました。
しかし歯周ポケット深くについた歯石はとるのも非常に大変です。
専門的で高度なテクニックが必要で、多数の歯に歯石がついている場合は時間もかかり、何回かに分けて治療する必要があります。
またついて時間が経つと硬く取れにくくなってきます、そのような場合は除去の時、その後などに痛みがでやすくなってしまいます。
こまめにとることで歯周病の進行を防ぎまた治療の痛みも少なくて済みます。
歯周病の原因は歯周病菌ですがこれはプラークの中にいます。
そこでプラークを取り除いてをきれいにしていくのですが特に溜まっているのが歯石のなかです。
歯石は歯に硬くこびりつき歯ブラシでは取れません。
そして歯石は軽石のように穴だらけでここにプラークがたまってしまうのです。
患者さんはしっかり歯みがきすれば歯周病は起こらないと思ってらっしゃる方もいるようですが、この歯石を取らない限りは歯周病菌はずっと停滞し炎症はひかないのです。
歯石はクリニックの器械、刃物でしか取れません。
また歯石は見えるとこだけでなく歯ぐきの中、いわゆる歯周ポケットにもたまってきます。
歯科医院での定期的な除去が必要になってくるのです。
今回から数回に分けて歯周病の治療、予防に関して紹介していこうと思います。
まず知っておいてほしいのは歯周病の原因です。
歯周病は歯周病菌によって歯ぐきが壊される病気です。
歯周病菌による感染症で世界で最も多くの人が持っている病気です。
これは食べかすなどのプラーク、歯石に沢山住み着いています。
そのためこれら汚れをしっかり取り除く必要があります。
これには患者さんとの共同作業が必要です。
クリニックでしっかり汚れをとっても食べ物を食べるとすぐに溜まってしまいます。
患者さんに毎日しっかり磨いてもらうと歯周病菌が停滞しないで健康な歯ぐきに戻っていきます。
私たちができるのはあくまでもたまりにくいその環境に整えることです。
患者さんの歯磨きが治療であり予防になっていくのです。
患者さんに参加していただくことにより初めて上手くいきます。
当院でテぺ(TePe)の歯ブラシを扱い始ました。
テぺとはスウェーデンの歯ブラシメーカーです。
皆さんスウェーデンは歯科治療、特に予防歯科の先進国であることを知っていましたか?
このテぺですがスウェーデンでは8割近くのシェアをもつ大きなメーカーなのです。
歯ブラシの特徴は
・毛先がラウンド加工されている
・ブラシのナイロンがとても品質がいい
・ブラシのヘッドが細くなり奥歯に届きやすい
・グリップが持ちやすい
また歯間ブラシもとても良く
・針金にプラスチックコーティングされている
・持ちやすい
などがあげられます。
私は日本製品が好きなこともあり食わず嫌いでしたが使ってみるととてもいいです。
使いはじめそんなにいいかな?と思いましたが以前使っていたものにまた戻すと磨き心地がとてもよくしっかり汚れも落ちるのでこれはお勧めできると納得しました。
歯間ブラシも針金の金属感がないので気持ちいいです。
色もカラフルで北欧のデザインですから気分も盛り上がります。
ぜひ一度使ってみてください。
入れ歯を調整してやっと咬めるようになったし、しゃべれるようになった。
よかったですよね。
ではこの自分に合った世界に一つの入れ歯ですが日々の洗い方、保存の仕方にもコツがあります。
基本的には寝るときにははずしましょう、たまに例外がありますが寝るときははずして入れ歯がのっている歯ぐきも休ませてあげましょう。
就寝前、晩御飯を食べた後入れ歯をはずして残っている歯を磨きます。
その後は歯ブラシで入れ歯もしっかり磨きましょう。
入れ歯を磨くときは歯みがき剤はつけないように。
入れ歯専用のブラシも汚れを落としやすいです。
水洗いでしっかり洗います。熱湯もつかってはいけません、変形のおそれがあります。落とすと割れたり変形することがあります。
洗面所では水を張ったり、洗面器に水をいれてその上で磨くようにしてください。
その後入れ歯洗浄剤につけて細かい汚れをとりましょう。
もし日中はずしているときは乾燥すると変形のおそれがあるので水につけておきましょう。入れ歯にも歯石がつきます。
これは自分ではとらずに歯科医院でとってもらうようにしましょう。
この歯石も細菌のすみかです。誤嚥性肺炎の可能性があります。
すくなくとも半年に一度、つきやすい方はもっと短いサイクルでとってもらってください。
前回入れ歯のメリットを書きました。
「そんなことはわかっているよ、一度作ったけど痛くて使えないんだよね」という話をよく聞きます。
特に初診でいらして入れ歯を入れていない方からこんな答えが返ってきます。
しかし入れ歯は作ったらそれでハイおしまいではありません。
新しい入れ歯は必ず調整が必要なのです。
たとえば靴下をはくと足首にあとが付きますよね。
それと同じで入れ歯をいれると歯ぐきにあとが付きます。
それが深くなるとひどい痛みと感じます。
でも型を取って模型で作るときにはそのあとがありません。
実際にいれてみないとそこらへんは誰も分らないのです。
そしてそこの部分を調整しないと自分の物にはならないのです。
ですから入れ歯ができたら試運転と調整のスタートです。
必ず調整が必要ですし、しばらくはゆっくり注意深く柔らかい物から食べることが大事なのです。
いきなり硬いお煎餅を食べたり、慣れていないのに急いで食べると舌や頬をかむので注意が必要です。
何度か調整をしてやっと自分の体の一部になると考えてください。
歯を失ってしまってそれを回復させる治療で今も昔もポピュラーなのが入れ歯です。
一本から全部の歯を失ったケースまで守備範囲はとても広いです。
一度慣れてしまえばお手入れはとても簡単。
でも一度作ったけど入れてない、他の歯があるから入れてない、こんな人多く見受けられます。
私たちもちゃんと意味があるからすすめているのです。
ではどんなメリットがあるのでしょうか。
1、かみ砕くことができる。
自分の歯ほどではありませんがちゃんと食べ物をかんでくれます。
例えば左側が歯がなくて右だけで咬んでいるかた、左に入れ歯を入れれば右だけでで咬んでいるつもりでもちゃんと左の入れ歯でも咬むのを手伝ってくれています。
2、しゃべりやすくなる。
空気が漏れにくくなるので発音がはっきりします。
もちろんこれは慣れが必要です。
3、見た目がよくなる。
歯を失うと歯ぐきもやせるので口まわりにしわができやすくなります。
入れ歯を入れることにより顔をふっくらさせしわを減らし、若返りも期待できます。
4、かみ合わせが悪くなるのを防ぐ。
歯を失うと周りの歯は空いたスペースに流れるように動いていきます。
入れ歯はこれを防いで歯並びを守ります。
4、残っている歯を守る。
例えば奥歯がなくなると前歯だけで咬みますがこの状態は負担が大きすぎです。
次第に前歯は傾き出っ歯になってしまいます。
今までたばこの害をお伝えしてきました。
では周りの人の害となる副流煙には実際どの程度の有害物質が含まれているのでしょうか。ニコチン 主流煙の2.8倍
タール 主流煙の3.4倍
一酸化炭素 主流煙の4.7倍となります。
もちろんタバコを吸う人の主流煙よりも拡散しますので健康被害の強弱は一概には言えませんがフィルターを通す主流煙よりも確実に副流煙の方が有害であることが言えます。
もう一つたばこの害で忘れてはいけないのが副流煙です。
外出先では禁煙エリアが広がっているので家に帰って家で一服という方は多いのではないでしょうか。
副流煙はフィルター通して本人が吸う主流煙よりも何倍もの有害物質が含まれます。
副流煙は拡散されるので一概には言えませんが多かれ少なかれ周りの人も健康被害を受けてしまいます。
特に抵抗力の低いお子さんは影響を受けやすいといわれています。
肺炎、喘息、気管支炎、中耳炎があげられます。
私たちが診察中にタバコの影響を感じるのは歯ぐきの色です。
副流煙の影響で歯ぐきの色が黒ずむことがあります。
もちろんタバコを吸っている方によくみられるものです。
タバコを吸っている方は自分の歯ぐきと子供さんの歯ぐきを見てみてください。
周りの方のためにも禁煙をしましょう。
たばこが体に悪いことは誰でもご存知ですよね。
歯にももちろん悪いのでもう少し掘り下げてみたいと思います。
①たばこを吸うと血流が悪くなり、栄養分が体の隅々まで行きわたらなくなります。
そのため細胞の治す力が弱まります。
歯を支えている組織や骨が壊れっぱなしになり修復されません。
②タバコからの有害物質で免疫細胞の元気がなくなります。
そのためプラークや歯石のなかの細菌との闘いに負けてしまいます。
③歯周病菌は酸素が嫌いです。
血中の酸素濃度が下がるので歯ぐきの中も酸素不足に陥り歯周病菌が住みやすく元気になってしまいます。
④ヤニのベトベトにプラークがくっつきそれが歯石に、細菌が停滞しやすくなります。
⑤血流が悪くなり有害物質のため粘膜が厚くなってしまうため出血しにくいです。
そのため歯周病の一番わかりやすい症状である出血を見逃しやすくなってしまいます。
今までの投稿で代用甘味料にはたくさんの種類があり、いろいろな特徴を持つことがわかったと思います。
患者さんと話していると「キシリトールをかんでいるとむし歯にならない」など誤った知識をもつ人がいることが意外といることを感じます。
これらの効果は非常に高純度の代用甘味料を使った実験の結果です。
製造過程で他の糖類が混ざっていたり、そもそも味の問題などから他の糖類が混ざっていることもあります。
なので過信は禁物です。
一番はスクロース(砂糖)を接種する量や回数を控えることが一番効果があり、その他しっかり歯を磨く、フロスを使う、フッ素を使うなど総合的にむし歯予防は考えましょう。
代用甘味料はまだまだたくさんあります。
マルチトール マルトースから作られ、還元麦芽糖とも言われます。
むし歯菌の栄養素になりません。またグルカンも作らせません。
そして砂糖と一緒に存在してもグルカンを作らせません。
人工甘味料 (サッカリン、アスパルテーム、アセスルファムKなど)むし歯菌の栄養素となりません、またグルカンも作らせません。
コーンシロップ、オリゴ糖など ほとんどがむし歯予防の効果はないと考えましょう。
キシリトールなどの糖アルコールは他にもソルビトール、エリスシール、マンニトールなどがあります。
これらは全体的にむし歯菌の栄養にはなりません。
ですが大量に摂取するとお腹がゆるくなってしまいます。
代用甘味料の性質を書いてみましたが、代用甘味料はいろいろな種類があり、特徴もあります。
マルトース 麦芽から作られるので麦芽糖とも呼ばれます。
むし歯菌の栄養にはなってしまいますがグルカンを作らせません。
また砂糖と混ざっていてもグルカンを作らせません。
パラチノース むし歯菌の栄養素にもならずグルカンも作りません。
また砂糖と一緒にとってもグルカンが作られるのを邪魔します。
消化吸収速度が穏やかなので血糖値が上がりにくく糖尿病患者さんの飲食物の砂糖代わりに使われます。
キシリトール むし歯菌の栄養になりません。
またグルカンも作りません。
しかし砂糖と一緒にとると砂糖がグルカンを作るのは邪魔できません。
溶けるときに熱を吸収するので清涼感があります。
このようにそれぞれ特徴があるので代用甘味料が入っていれば大丈夫というわけではありません。
まだまだありますので次回ほかの代用甘味料を解説したいと思います。
前回なぜ砂糖は歯に悪いのか?と書きました。
最近は砂糖の代わりの代用甘味料がたくさん販売されています。またこれらを使いむし歯になりにくい食品もたくさん出てきています。
では代用甘味料はどのような効果があるのでしょうか。
① むし歯菌の栄養素とならない。
むし歯菌が食べても栄養にできず酸を吐き出すことができません。
そのため歯が溶けないのです。
② むし歯菌の接着剤であり、バリヤーのもとでもあるグルカンをむし歯菌が作れない。
むし歯菌が歯に付くことができずまたバリヤーが作れないので流れてしまいます。
③ ①、②は代用甘味料のみ入っているときのことです。
ある代用甘味料は砂糖が一緒に存在してもグルカンを作らせない、このような働きがあります。
数ある代用甘味料すべてがこの3つの働きを持つわけではありません。
一つのみ、または2つのみ、全部入っているなどいろいろあります。
次回これらを整理してみます。
甘いものを食べるとむし歯になりやすい、皆さんこのことはわかっていますよね。
ではなぜむし歯になりやすいのでしょうか。
むし歯はむし歯菌により起こされますが、甘い物の中に入っている砂糖がむし歯菌の大好物なのです。
むし歯菌は砂糖を栄養素にしています。
1 砂糖を摂取して酸をはき出しこれが歯を溶かしていきます。
2 また砂糖を取り込むときにグルカンというネバネバの物質を作り歯に強力にくっついてしまいます。
口をゆすいだくらいではとれないのはこのせいです。
3 このグルカンは増えてくるとむし歯菌をおおうバリヤーのようになってしまいます。
このバリヤーが唾液や薬からむし歯菌を守っているのです。
このバリヤーをバイオフィルムといいますがグルカンが多くなればなるほど強力で頑丈になってしまいます。
このようにしてむし歯菌は砂糖をエサにして歯を壊していくのです。
皆さん歯周ポケットはご存知でしょうか?
歯と歯ぐきには隙間がありますがそこを歯周ポケットと言います。
歯周ポケット近くの歯の表面を歯ブラシの毛先をあてて磨くのはとても大事です。
しかしこの歯周ポケットは溝になっていて溝の中のプラークは完全にはとれません。
しかも無理に溝に歯ブラシを入れると歯ぐきがだんだん下がってしまいます。
歯ぐきがやせると歯の根が露出してしまいます。
歯ぐきの深い溝、深い歯周ポケットは歯科医院で専門的な技術を持つ衛生士さんに定期的にとってもらいましょう。
また歯と歯の間はデンタルフロスや歯間ブラシを使いましょう。
甘い物はそんなに食べていないのにすぐにむし歯ができてしまう。
そんな時は「食べ方」に問題があるかもしれません。
飲食をすると、むし歯菌の生み出す酸や飲食物の酸により歯の表面が溶けてきます。
これを脱灰といいます。
しかしこれを唾液が時間をかけて歯の表面に溶けだした成分を戻していくのです。
溶ける量が戻る量を上回ってしまうと歯が「溶けたまま」いわゆるむし歯になってしまいます。
なので一度飲食したら2~3時間はあけるようにしましょう。
お菓子はもちろん飲み物もスポーツドリンク、乳酸菌飲料、野菜ジュースは糖分が入っているので飲み方には気をつけましょう。
これらの物をちびちび飲んだり、寝る前歯磨き後に飲むのも危険です。
食間は糖分が入っていないお茶などがよいでしょう。
フッ素は歯みがき剤に大抵は入っています。
裏を見て成分をチェックしましょう。
ではどのように使うのが効果的なのでしょうか。
ポイントが幾つかあります以下に挙げてみます。
毎日使いましょう。
必ず毎日使いましょう。
たまにしか使わないと効果は半減です。
寝る前が効果的です。
食べたり飲んだりすると流れてしまうので寝る前が効果的です。
すすぎは1回で。
これは患者さんと話していてもほとんど知らないようです。
何度もブクブクすると全部流れてしまいます、すすぎは1回でしかもおちょこ1杯くらいの少量の水で。
口いっぱいに水を入れてブクブクするとフッ素は流れ出てしまいます。
使用量は適量で。
意外に知られていないようですが毎日のことなのでとても大切です。
以上気をつけて毎日使ってみましょう。
前回はフッ素の効果について書きました。
むし歯によって溶けた歯の成分がまた取り込まれやすくなる、と書きましたがもうすこし深く触れたいと思います。
まだ穴があいていない初期のむし歯に関してです。
色が変色して白くなります。
酸によって歯のカルシウムなどのミネラルが溶けだし歯の結晶がスカスカになり透明度が落ち白くみえるのです。
この溶けだしたミネラルを歯に戻せばむし歯を補修することができます。
フッ素はこの溶けだしたミネラルの取り込み(結晶の補修)をスピードアップさせ歯の再結晶化を促進させるのです。
穴があいてしまってはつめ物などの治療が必要ですが、初期のむし歯ではフッ素は有効です。
今回からフッ素について詳しく説明していこうと思います。
皆さんフッ素は聞いたことぐらいはあると思います。
むし歯予防にとても有効でWHOでも歯の健康に有効であると認めています。
世界中で広く使われているものです。
自然界にも広く存在しお茶、海藻、魚介類に多く含まれてます。
フッ素は3つの効能があります。
1 むし歯によって歯の成分が唾液に溶けだされたものが再び歯に取りこめれやすくなります。
そのスピードが速まり修復される量も増えます。
2 フッ素により修復された歯の結晶はもとの歯よりも固くなり、むし歯になりにくい丈夫な歯になります。
3 フッ素自体に抗菌作用があり、むし歯菌を抑えます。
このように歯にはいいことばかりでそのため世界的に歯の健康を増進すると考えられているのです。
今回は中等度からさらに進行してしまった重度歯周炎です。
歯周組織は3分の2以上破壊されもう歯はぐらぐらです。
歯ぐきは腫れたり、膿がでたり、強くは噛めないので自覚もあることと思われます。
自然と抜けてしまうこともあります。
歯並びも崩れはじめ前歯が出て出っ歯になることもあります。
また口臭もきつく周りの人にも気がつかれてしまいます。
ここまでくると最先端の治療を行っても歯を残せないことも多いです。
徹底したケアが必要ですし長期の治療と患者さんの忍耐も必要となってきます。
こうなる前に早期の治療、日々のお口の管理に関心を持っていただきたいと思います。
今回は軽度歯周炎からさらに進行してしまった中等度歯周炎です。
歯の根の3分の2ほどの深さまで歯周組織が破壊されている状態です。
歯周ポケットは6ミリほどに。
歯周組織が破壊され歯がぐらぐら揺れ始めます。
ただ軽度の揺れだと本人は気がつかないこともあります。
ゆっくりと壊れていくのが歯周炎の特徴ですがすでに歯を失っていたり噛む力が強い場合は早く進むこともあります。
力を受け止める歯根膜も壊れているので最後一気に進行が早まることがあるからです。
ときどき歯ぐきが腫れて膿んだりもしてきます。
しばらくすると腫れもおさまりますが早期の治療が必要です。
まずは徹底的に歯石や奥深くにたまったプラークなどを取り除きます。
また揺れている歯を固定しかみ合わせを治したりして噛む力をコントロールすることが重要です。
また歯の本数が少ない場合は力を分散させるため入れ歯なども考える必要もあります。
いずれにしろ長期で困難な治療になるので歯科医と患者さんで二人三脚での治療が必要となります。
今回は前回の歯肉炎から進行してしまった軽度歯周炎を説明します。
歯の根の3分の1程度まで歯周組織が破壊された状態です。
歯周ポケットは4ミリ程度となります。
歯肉炎との違いは、歯ぐきの中の歯周組織(歯槽骨、歯根膜)が破壊されているかどうかです。
このステージからは歯槽骨は元の高さまでもう戻りません。
歯磨きでムズムズしたり出血があります。
しかし痛みまでは感じないため放置しがちです。
治療としてはしっかりとした歯みがきはもちろん、歯科医院での専門的なクリーニングで歯ぐきに隠れたプラークや歯石を定期的に取り除き常にきれいな状態にすることが重要です。
今のうちに治療すれば歯はぐらぐらになりませんので早めに受診しましょう。
今まで歯周病の症状や進行度合いを説明してみました。
今回からステージ別の治療方法などを解説してみたいと思います。
今回は一番軽度な歯肉炎です。
歯肉炎はポケットが3ミリ程度。
歯肉が腫れ歯みがきすると出血することも。
細菌により歯ぐきに炎症が起こっている状態ですが。
その下のセメント質や歯槽骨にはダメージが起こっていません。
治療はプラークなどの細菌を取り除くこと。
しっかりと正しい歯みがきを行うことが重要です。
しかし3ミリのポケットともなると歯磨きだけではなくならないので歯科医院で専門的なクリーニングを行いましょう。
そうすることで炎症は消失し歯ぐきは元の正常な状態に戻ります。
歯周病を歯肉炎と歯周炎に分類します、と前回書きましたが。
その中でも歯周炎は軽度、中等度、重度と分類します。
軽度は歯の根のおよそ3分の1程度歯ぐきの中の骨が破壊されている場合。
この状態では歯みがきの時に出血したりして気が付き始めることが多いです。
中等度は根の3分の2程度骨が破壊されている場合。
少し歯がぐらつき始めます。動いている自覚はないこともあります。
鏡で見ると歯ぐきが下がって歯が長くなってきたように感じることがあります。
重度はそれ以上、骨が破壊されている場合となります。
この状態では歯はぐらぐら。
自分でもぐらつきに気がつくほどです。
歯周病は何度も書いていますがプラーク(食べかす)と歯石の中にいる細菌の毒素が引き起こすものです。
一度用語の説明をしてみたいと思います。
最初は歯ぐきだけが腫れる「歯肉炎」。
さらに症状が進むとセメント質(歯の根の部分)、歯根膜(歯との骨の間の膜)、歯槽骨(歯ぐきの中の骨)が破壊されて「歯周炎」となります。
歯周病はこの「歯肉炎」と「歯周炎」のことを指します。
「歯肉炎」がすすむと「歯周炎」となりステージの違いを意味します。
「歯肉炎」だと病気の早いステージなので歯磨きをしっかりしていると炎症はなくなっていきます、ダメージもありません。
しかし「歯周炎」となるともっと深部であるセメント質、歯根膜、歯槽骨にダメージをうけ、もう元に戻ることがありません。
これが怖いのです。
私たち歯科では2大疾患である、むし歯と歯周病をおもに治療、予防をしております。もちろん歯を失った後の入れ歯やインプラントなども治療として行っていますが歯を失う原因はむし歯か歯周病がほとんどです。その歯周病は「沈黙の病気」とも呼ばれます。痛みを伴わずゆっくりと進行し歯を支える歯ぐきを壊しついには歯を失ってしまうからです。しかも歯周病を持つ人は成人は7~8割といわれ決して他人事ではないからです。
千葉市の口腔がん検診が今年も6月から始まりました。
例年は500名の制限がありましたが今年から2000名となりました。
口腔がんは見ることができるところにほとんど発生するので早期発見が可能です。
早期発見、早期治療で高い生存率が期待できます。
しかし進行してしまうと機能的、審美的な回復が難しくなってしまいます。
我々千葉市歯科医師会の会員は専門の講習を受け日々知識をアップグレードしています。
最近歯科で診てもらっていない、気になる所があるなど心配されている方はぜひこの機会に受診してください。
お問い合わせは当院または千葉市歯科医師会まで。
千葉市歯科医師会 口腔がん検診申込係 電話:043-242-2982 https://www.chibada.ne.jp/
前回は乳歯の歯並びについて書きました。
乳歯や永久歯の歯の大きさというのはその人その人で決まってしまっています。
これは治療や習慣ではどうにもなりません。
しかしあごの大きさ、成長はその子の生活習慣などで変わることがあります。
ではどのようなことで変わるのでしょうか。
鼻呼吸ができる。
外遊びが十分できている。
好き嫌いなくなんでも良く噛んで食べる。
姿勢がいい。
1回の食事で十分な量を食べることができる。
などです。
これらは基本的な生活習慣です。
基本的な正しい生活習慣を身につけることがあごの成長を促し、その後の口の状態も左右させることも多いので、しつけの一環として今一度見直しましょう。
今回は歯並びについてです。
歯並びは顔立ちなどと同様に遺伝的な要素もあります。
しかしもちろん後天的な要素で歯並びは変わってきます。
前回4歳までミュータンス菌に多量に感染させないでほしいと書きました。
4歳ころになると歯並びも見てあげてください。
4歳くらいでは上下の前歯に隙間があるほうがあごの発育がうまくいっていて将来歯並びが良くなる可能性が高いです。
永久歯は乳歯より大きい歯となります。
顔も成長しますので大きくなります。
しかし乳歯の歯並びの時点できつきつですとその後大きな永久歯がはえてくると収まりきらず、重なったりまがったりして歯並びが悪くなる可能性が高くなってしまいます。
4歳ごろからは歯と歯の間が隙間があるくらいがちょうどいいのです。
「乳歯ははえかわるからむし歯になってもいい?」のところでむし歯にならないほうがいいと書きました。
4歳までむし歯ならないとその後むし歯になりにくいというデータがあります。
このむし歯がないというのも
「たまたまむし歯にならなかった」ケース
「意識してむし歯にならなかった」ケースがあります。
むし歯予防はむし歯菌であるミュータンス菌から感染をさせないという側面と、食生活、歯みがきの生活習慣をきちっとするという側面があります。
4歳までむし歯菌のミュータンス菌から守られた子供は、2歳までにむし歯ができてしまった子供と比べると4歳の時点でむし歯の本数は20分の1といわれています。
明らかに違いますよね。
本人のため、またお母さんがその後楽するためにも、4歳まではとくに気をつけましょう。
もちろん乳歯もむし歯にならないにしましょう。
痛みを伴うことがあるのでもちろんなのですが。
あまりひどいむし歯になってしまうとその下から出てくる永久歯に悪影響を及ぼします。
永久歯が弱くなったり形、色が変わってしまうことがあります。
また口の中にむし歯があるとむし歯菌が増えてしまいます。
すると離れたところにある永久歯もまたむし歯になりやすくなってしまいます
小さいむし歯なら痛くなくささっと治療も終わりますので定期的にチェックをクリニックで受けましょう。
その1ではたばこの有害物質が粘膜から吸収されると書きました。
今回はもうすこし詳しく書きたいと思います。
たばこの有害物質は歯ぐきに吸収されると歯ぐきの中の毛細血管を収縮させ血行障害を起こします。
プラークなどに含まれる歯周病菌に対する免疫能力は低下しその結果歯周病になりやすく、また症状が進行しやすくなってしまいます。
しかも自覚症状として歯ぐきの腫れ、出血が隠されてしまうため気づきにくくなります。
ですから歯周病の発見、治療には禁煙がとても重要です。
さらに喫煙は歯ぐきの黒ずみ、舌の異常(味覚)、口臭、がんの発症率が高まります。
受動喫煙も話題となっておりますが、受動喫煙をしている方も同じことがいえます。
一緒に生活している家族のためにも禁煙を考えましょう。
喫煙での健康被害は皆さんご存知かと思います。
ただ口にも大きなダメージを与えることはご存知ですか?
口はタバコの煙の出入り口です。
まず煙に含まれるタールですがこれが歯に沈着してヤニとなります。
ヤニは表面がザラザラしているためその上にプラークが大量につきます。
このプラークはむし歯菌、歯周病菌を含むため、むし歯、歯周病のリスクが高くなります。
また肺などの呼吸器と同じように歯ぐきや粘膜からもニコチンなどの他の有害物質が吸収されてしまいます。
葉巻は肺に煙を入れませんが歯ぐきと粘膜からニコチンが吸収されます。
電子タバコもニコチンなど有害物質が歯ぐきと粘膜から吸収されています。
入れ歯を入れてらっしゃる方、ちゃんと入れ歯をお手入れしているでしょうか。
歯を毎日磨かなければいけないように入れ歯もお手入れが必要です。
まず歯が残っていて部分入れ歯を入れている場合。
歯磨きをする前に入れ歯は必ず外しましょう。
入れ歯入れたままで歯を磨いてもきれいになりません。はずして自分の歯を磨いた後、入れ歯を歯ブラシで磨きましょう。
この時自分の歯を磨くときの歯ブラシでも構いません。
入れ歯専用の歯ブラシもあります。
入れ歯専用の歯ブラシのほうが使いやすいかもしれません。
使ったことがない方は一度試してみてはどうでしょうか。
ただ入れ歯を磨くときは歯みがき剤はつけないでください。
中には研磨剤が入っているものもありますので。
夜は入れ歯洗浄剤で消毒しましょう。
一晩つけておけばきれいに消毒されます。
たまに入れ歯を入れえたまま就寝するという話を聞きます。
歯科医から指示がない限りは夜ははずして歯ぐきも休ませましょう。
入れ歯についた食べかすは最近の塊です。
誤嚥性肺炎をおこしかねませんのでしっかり毎日洗ってください。
寝たきりの方は介護する方が必ずはずしてお手入れを行ってください。
口腔がんについて何回か書いてきましたがではどんなひとがなりやすいのでしょうか。
タバコを吸う
たばこを吸う人は吸わない人の約7倍といわれています。
口を清潔に保っていない
歯をしっかり磨いていない、入れ歯をいれているが磨いていない、入れ歯洗浄剤を使っていない。
このような場合口内炎によるただれが起こりやすくなります。
そのようなときは口腔がんができる可能性が上がります。
飲酒の習慣がある
飲酒の習慣がある人はない人に比べ約6倍といわれています。
とくに強いお酒がリスクをあげてしまいます。
また喫煙をし飲酒の習慣がある人は吸わない、飲まない人の約36倍にも跳ね上がります。
合わない入れ歯、さし歯、むし歯がある
粘膜が常にこすれたり尖った所が刺さったりしているとそこから口腔がんがおこるリスクが高まります。
他のがんになったことがある
ほかの部位にがんができたことがある方は注意が必要です。
また食道、胃などのがんが同時にできていることがあります。
このように50歳以上で喫煙、飲酒の習慣がある方はリスクが高くなります。
ただ25%ほどのかたは非喫煙ですので喫煙しない、飲酒しないかたも注意が必要です。
前回「痛み」「口内炎」「出血」「はれ」は注意が必要ですと書きましたが、今回は他の注意すべき点をあげてみます。
・舌、歯肉、粘膜に赤斑(赤い部分)がある
粘膜はもちろん赤いのですが、紅のように赤くすこし硬い感じがしたら紅板症というもの かもしれません。
紅板症は前がん病変(がんになる前の症状)といわれ約半分ががんになっているといわれ ています。
・舌、歯肉、粘膜に白斑がある
赤ではなく白くなることもあります。
これは白板症といわれる前がん病変で6~10%ががん化するといわれています。
・舌や口の中にしびれ、麻痺感がある
がんが神経をおかすとしびれなどが起こることがあります。
舌が動かしにくいなどの症状が出ることがあります。
・首のリンパ節が3週間以上腫れている
首のリンパ節が腫れることがあります。
風邪やむし歯、歯周病などの炎症でもリンパ節は腫れますが通常それらは炎症がひけばリンパ節の腫れもひきます。
そのような自覚もなくリンパ節が腫れているときは注意が必要です。
どうでしょうか。
これらの症状がある場合は一度歯科でみてもらってください。
また週に一度は鏡で口の中もチェックしましょう。
出血があればそれはがんでなくても歯周病かもしれません。
またむし歯も痛くなる前に治療したほうが単純な治療で済みます。
では次はどのような人ががんになりやすいか紹介していきます。
口の中にもがんはできる、と前回書きました。
口はある程度は自分でも見たり、違和感を感じることができますので早期に発見、治療することができます。
早期発見し治療に移れば治癒率は高くなります。
ここでこんな異常を感じたら相談してほしいということを紹介してみたいと思います。
・痛い
口腔がんは痛みがないこともありますが、早期がんで粘膜がはがれたり、傷ついた場 合痛みがでます。
また進行がんでは神経が侵されたりすると痛みがでてきます。
・口内炎が2週間以上治らない
粘膜はだいたい2週間ですべての細胞が新しく入れ替わります。
2週間たっても治らないものは要注意です。
・出血がある
どこからかわからないが出血する。
口腔がんは痛まないことがありますが、がんで粘膜が切れているときは出血します。
ただ歯周病でも出血しますので出血イコールがんではもちろんありません。
歯周病は大抵の人がありますので歯科医に相談しましょう。
・しこり、はれがある
がんは「できもの」なので腫れることもあります。
しかし骨のでっぱりや良性の腫瘍もあるので過剰に心配する必要はありません。
皆さんお口の中にもがんができることはご存知ですか?
今回からしばらく口腔がんについて紹介しようと思います。
口腔がんと呼ばれ全てのがんの2~4%を占めています。
人数としては年間6000人の方がかかり3000人の方がなくなっています。
早期発見された早期がんでは90%以上が治りますが進行がんとなると5年生存率は50%となっています。
早期発見がとても大事です。
早期発見されると治療も小さいのです。
進行がんでは治療も大変ですが、手術の傷跡、食べる、飲む、話すなどの働きが障害を受けてしまいます。
歯みがき剤の正しい使い方を知っていますか?
むし歯予防に効果的な歯みがき剤の使い方を紹介したいと思います。
まず歯ブラシにつける量ですが
3歳くらいまでは 子供の切った爪くらいの大きさ(ほんの少し)
3歳から5歳くらい長さ5mmくらい
6歳からは1cm
大人は2cm
くらいが目安です。
仕上げ磨きが必要なお子さんの場合、保護者の方が磨くときに使いましょう。
うがいできない時期は泡をティッシュなどで軽くふき取りましょう。
以下は大人も子供もです。
歯みがき剤を出来るだけ歯全体につける(出来るだけ裏側にも)
うがいは1回のみです。水は少量でおちょこくらいの量にしましょう。
その後は1~2時間は飲食しない。(寝る前は特に効果的)。
毎日使いましょう。
皆さんフッ素の効能をご存知ですか?
今回はクリニックで塗布したり、歯みがき剤にもはいっているフッ素の効果を説明したいと思います。
現在日本で発売されている歯みがき剤は9割程度はフッ素が入っています。
2017年には今までより1.5倍高濃度のフッ素が入ったものが認可され発売となりました。
→高濃度フッ素入り歯みがき剤発売されました
フッ素は以下のような効果があります。
1 歯の表面が溶けてしまった時、唾液の中のカルシウムやリン酸を歯に取り込み歯が修復 される手助けをします。
2 抗菌作用があるのでむし歯菌の活動を鈍らせます。
3 フッ素で修復された歯は元の歯より強く硬い結晶になりむし歯になりにくい丈夫な歯に なります。
このように歯を丈夫にしてむし歯菌によるダメージを受けにくくなります。
ただ1回2回使うだけでは効果は出ません、使い続けることが重要です。
またフライパンのフッ素加工と混同して、歯がコーティングされてむし歯にならないと思っていらっしゃる方かたがいますがこれは全く勘違いです。
フライパンとは違いますのでご注意を。
また老若男女関係なく使えますのでぜひ有効利用しましょう。
あと歯みがき剤には「フッ素」ではなく
「モノフルオロリン酸ナトリウム」(MFP)
または
「フッ化ナトリウム」(NaF)
と書かれています。
次は正しい歯みがき剤の使い方を紹介します。
フッ素 皆さん聞いたことはあると思います。
今回から詳しく説明してみたいと思います。
フッ素は自然界にも存在しお茶や海藻などにも含まれています。
WHO(世界保健機関)が「歯の健康に有効である」と認めていて世界中で利用されています。
いままで日本では歯みがき剤のフッ素の濃度の上限が1000ppmと決まっていました。
それがこの3月から国際基準(ISO)にならい上限が1500ppmとなり日本でも世界基準の歯みがき剤が使えるようになりました。
この歯みがき剤ではNaFと表示されていますがこれがフッ素です。
日本では高濃度のフッ素入り歯みがき剤自主規制として6歳以上としています。
(今までの普通のフッ素入り歯みがき剤は歯が出てきたらすぐに使えます)
国によっては年齢制限がない所もあるようです。
6歳以上の方はぜひ試してみましょう。
当院でも販売しています、お勧めです。
次回はフッ素の効能などを載せてみます。
以前書きましたが妊娠期は女性ホルモンの増加による歯ぐきの腫れ、唾液の量の減少による中和能力の低下また食事の回数、間食の増加、つわりなどによる口腔内環境の悪化が考えられます。
つわりがきつく歯が磨けない場合は
洗面所などで下を向いて前かがみになり唾液はためないようにし小さめの歯ブラシを使ってみましょう。
小さめの歯ブラシでは時間がかかってきつい場合は大きめの歯ブラシで一気に磨いてみるのもいいかもしれません。
歯磨き剤はにおいや味のないものを使うか無理して使用しなくてもかまいません。
どうしても歯ブラシで磨くのが無理な場合は食後出来るだけ早く、強くブクブクうがいをしましょう。
また嘔吐した場合はすぐにブクブクうがいをし胃液を残さないようにしましょう。
千葉市は歯科の妊婦検診、産婦検診があります、できるだけ受けるようにしましょう。
妊婦さんはホルモンバランスの変化により体にいろいろな変化が起きますが、口の中も例外ではありません。
むし歯や歯周病は悪くなりやすく、また歯周病は早産の原因ともなります。
妊娠初期ですがつわりに伴う嘔吐や食の好みの変化が歯にダメージを与えます。
胃酸は酸性ですので何度も嘔吐すると歯を直接溶かしていきます。
また酸性のものを好む傾向にありますので酸性の食物が歯に悪影響を与えやすいです。
唾液の量も減りネバネバ感が強くなりますので食べ物も停滞しやすくなります。
歯ブラシでしっかり磨けないことももちろん悪影響を与えます。
また女性ホルモンの増加による影響で歯ぐきが腫れやすく、出血しやすくなります。
特に前歯の歯ぐきに起こりやすいのですが、これは妊娠性歯肉炎と呼んでいます。
妊婦さんが歯周病にかかると歯周病菌や炎症物質が血管に入りこみ、血液とともに子宮に運ばれ子宮に収縮をもたらすといわれています。
これは胎児の発育不全も引き起こすと考えられています。
歯肉炎とは違いデキモノがぽつんと一つできることがあります。
これはエプーリスといわれる良性のもので、たいていは妊娠16週前後におこり出産後自然に消えることが多いです。
痛みはないですが触ると少し痛いかもしれません。
大きくなるととても邪魔です。
このように妊婦さん特有の症状が出ることがあります。
次回は妊婦さんの口腔ケアをご紹介します。
前回は根面うしょくの予防を書きました。
もしなってしまった場合は治療が必要です。
基本的には普通のむし歯と同じように感染部分を削って取り除き樹脂(レジン)を埋める治療となります。
→むし歯の治療
ただ根のむし歯なので歯ぐきの下まで広がっていることもあります。
その時はセメントと呼ばれる詰め物をすることがあります。
この材料はフッ素も含み大変いい材料なのですが、色がなく目立ってしまうという欠点があります。
前回高齢者の方の歯の根にむし歯ができやすいと書きました。
→根面うしょくご存知ですか?
最も大切なのはもちろん予防です。
うしょく(むし歯)が出来ないにこしたことはありません。
一番の原因はやはり食べかすのプラークです。
ですから歯磨きをしっかりすることが最も重要です。
根面うしょくもそうですがむし歯が起こるのは歯と歯の間がとても多いです、ここは普通に歯ブラシで磨くだけでは毛先が届かず汚れを落としきれません。
そこでデンタルフロスか歯間ブラシを使いましょう。
また義歯を入れている場合そのバネが引っかかる歯が根面うしょくになることがあります。
義歯についた汚れもむし歯の原因となるからです。
義歯もしっかり歯ブラシで汚れを落とし、入れ歯洗浄剤を使いましょう。
またフッ素塗布も非常に有効です。
当院では子供はもちろん高齢者の方にもフッ素を塗ってむし歯予防をしています。
→予防処置 フッ素塗布
次回は治療についてです
歯ぐきが下がってしまうと歯の根が外に露出してきます。
この根は歯の頭の部分であるエナメル質とは性質が全然異なりとても弱い部分です。
歯ぐきが下がっておこることからやはり高齢者に多く見られます。
歯の根は溶けだすPHが6.7と言われています。
→むし歯になりやすい飲み物、なりにくい飲み物~幼児から学生まで~
→むし歯になりやすい飲み物、なりにくい飲み物~大人~
これはエナメル質の5.5に比べかなり高く、ちょっとしたことで溶けやすく耐酸性が低いと考えられます。
また硬さもとても低くエナメル質の4分の1ほどです。
強く磨くとすり減ってしまうということです。
高齢者の方は最近多くの歯が残っています、しかし多かれ少なかれ歯周病がありますので歯ぐきが下がってしまっています。
そのため多くの方に根面うしょくが出来てしまっているのが現状です。
次回は予防法、治療法など書いてみます。
歯が溶けやすい飲み物、溶けにくい飲み物を紹介してきましたが今回はアルコール編です。
やはりPH(PHが低いほど酸性が強く歯の表面ののエナメル質が溶けていきます)から考えていきます。
アルコールは口の消毒にもなるんじゃないの?なんて考える方もいらっしゃいますがそんなことは全くありません。
アルコールで殺菌は無理なので注意してください。
アルコール類は全体的にPHが低いです。
(PHが5.4より低いとエナメル質が溶け始めます)
原料の性質もありますが製造過程で乳酸やクエン酸、酢酸などの有機酸が産出されるのが影響されていると思います。
特にレモンチューハイと梅酒はPHが低く、これは原料のレモンや梅が影響しています。
お酒は飲み始めるとつい時間を忘れて飲んでしまうものです。
しかしこれは唾液の中和能力を超えてしまいむし歯の原因となるので注意しましょう。
→唾液の働き
→唾液の働き2
→唾液の働き3
→唾液の働き4
さらに寝ている間は唾液の量が少なくなります。
レモンチューハイ飲んでそのまま寝るというのは歯にダメージが加わりますので歯は磨いてから寝ましょう。
PH5.4より低いものは注意を。
日本酒 PH 4~5
缶ビール PH 4.3
ワイン PH 3~4
チューハイレモン PH 2.9
梅酒 PH 2.9
今回は幼児から学生さんくらいまでに人気のある飲み物を考えてみます。
飲み物の多くは酸性のものが多いと言われています。
前回の乳幼児編のブログで書きましたが酸性のものは歯の表面のエナメル質を溶かします。
すぐにむし歯にならないのは唾液が中性にしてくれるからです。
しかし頻繁に飲むとそれが追い付かず表面が溶けてくる(むし歯になると)書きました。
→歯が溶けやすい飲み物、溶けにくい飲み物~乳幼児~
特に小学生、中学生くらいまでは歯の表面がまだ柔らかく酸によって溶けやすい(むし歯になりやすい)のです。
PHは5.4より低いとむし歯になっていきやすいです。
以下にPHをあげてみます。
コカ・コーラ PH 2.2
ポカリスエット PH 3.5
ダカラ ビタミンウォーター PH 3.7
ファンタピーチ PH 2.9
ポンジュース PH 4.0
トロピカーナオレンジ100% PH4.1
PH5.4以上(むし歯になりにくい)
午後の紅茶 PH5.5
ワンダモーニングショット PH6.2
生茶 PH6.3
牛乳 PH6.8
ボルビックミネラルウォーター PH7.0
このようなことからコーラはもちろんスポーツドリンクや100%のジュースもむし歯になりやすいことがわかると思います。
私もジムに通っているので水分補給がとても大事なことはわかります。
部活や運動、普段の生活でなどで水分補給はこれらのことも気をつけましょう。
また歯磨きやそれ以外の時の飲み物などは工夫してください
飲み物のよってはむし歯のリスクがあがることは皆さんなんとなく知っていると思います。砂糖の量に比例してむし歯になりやすなるだろう、と思っているでしょう。
そのとおりなのですが今回は砂糖だけではなくPHから飲み物を見ていきたいと思います。今回は乳幼児が好むものを考えていきます。
歯の外周を覆っているエナメル質はPHが5.4より低いと酸性の環境となり溶け始めます。
(ちなみに中性は7.0。
低ければ低いほど強い酸性、高ければ高いほどアルカリ性となります。
アルカリ性になることはほとんどなく酸性になりむし歯が溶けていくと考えてください。)
乳幼児の飲み物は大まかに、イオン飲料、果汁、お茶、に分けられます。
イオン飲料、果汁(100%を含む)はほとんどがPHでは3~4となります。
その他にカルピスや乳酸菌飲料も3~4のことが多いようです。
要は歯が溶けるPHであるということです。
特にペットボトルの飲料は1回で飲み切ることはあまりなく再びキャップをしてまたしばらくして飲むことが多いです。
そのため雑菌が繁殖しにくいようにPH3~4に調整することが多いようです。
これに対し飲みきりサイズ(125mlなど)は雑菌繁殖防止の酸化防止剤が少ない傾向にあり、PHも大きく歯が溶けにくいことが多いようです。
またお茶はPHが6~7と歯が溶けないので安心と考えられます。
ではなぜPHが低いものを飲んでもすぐにむし歯が出来ないのでしょうか。
これは唾液が強く関係しています。
唾液は酸を中和する作用、歯の表面を洗い流す作用があるのですぐにはむし歯にならないのです。
→唾液のはたらき
しかし頻繁にPHの低い飲み物を飲むと唾液の中和も追いつかなくなりむし歯が出来てしまいます。
また寝ているときは唾液の量が減りますので飲んだまま寝ると非常にむし歯が出来やすくなります。
小さなお子さんは汗をかきやすく水分補給はとても大切ですし好きなものをとりあげるのもかわいそうです。
親御さんがちゃんと飲ませる時間を管理し、その後の歯磨きも実践しましょう。
誤嚥性肺炎は災害時に発生しやすいといわれています。
災害時は歯磨き、入れ歯の手入れががおろそかになりやすく、口の中の細菌が多くなりやすい。
集団生活などで免疫力、体力が低下している。
飲み込む力(嚥下機能)が低下しやすい。
これらのことが重なると元気な高齢者でも誤嚥性肺炎は起こる可能性があります。
災害が起こった時命は助かってもその後の避難生活で誤嚥性肺炎が発症することが考えられます。
日ごろから飲み込む力(嚥下機能)は意識して訓練するようにしましょう。
不安な方、ご家族が高齢で不安な方は気軽に相談してください。
誤嚥性肺炎、最近はよく耳にするようになりましたが皆さんご存知でしょうか。
「誤嚥」とはのどのまわりや舌の筋肉が弱くなり唾液や食べ物が間違って気管に入ってしまうことです。
口は食べ物の入り口でもありますが呼吸時の空気の入り口でもあります。
これをのどの筋肉によって気管にフタをしたり、食道にフタをしたりして無意識のうちに振り分けているのです。
誤嚥性肺炎とは誤嚥で間違って異物が気管に入ってしまいそれが原因で肺炎になってしまうことです。
特に高齢者の方に見受けられます。
飲み物や汁物、食べ物がむせることなく食べれていますか?
簡単な審査の方法があります。
30秒間で3回つばをごくんと飲み込むことができれば今のところ大丈夫です。
3回出来なかった場合はこれから先誤嚥の危険があります。
必ず歯科医院で相談してください。
前回歯並びが悪くなる癖をいくつか紹介しました。
指しゃぶり、舌や唇をかむ癖、爪を噛む癖など歯並びに大きく影響します。
今まで上げたものは口の周りの癖ですが、他にもまだいくつかあります。
例えば頬づえ。授業中いつも同じように頬づえをついていると骨格自体にも悪影響を与えます。
またこれはあごの関節にもわるいです。
寝るときも必ず同じ向きで横向きで寝る、うつぶせで寝る、などはこれも骨格に悪影響を与える可能性があるので注意が必要です。
皆さん歯並びって変わらないと思っていませんか?
じつは結構簡単に変わってしまいます。
弱い力でも長い時間力が加わると歯は簡単に移動してしまうのです。
歯並びをよくするには矯正治療が必要です。
これには細かい計算と微妙な力加減の高い技術が必要です。
ただ悪くなるのは簡単です。日々の癖で悪くなることも十分考えられるのです。
今回は幼少期での癖を上げてみます。
まずは指しゃぶり、これは有名ですよね、指をしゃぶることにより前歯が前方に移動し傾斜も大きくなってしまい結果として出っ歯になってしまいます。
爪を咬む、鉛筆やペンを咬む癖、その部分だけ歯が出てしまいます。
他に舌や唇をかむ癖。
舌をかむ癖は上下の前歯が開いてしまいます。
唇をかむ癖はその部分の歯並びが崩れます。
とにかく何かを咬む癖は危険です。
舌や唇をかむ癖で前歯が開いた方は意外にいらっしゃいますが本人も気づいてないことも多いです。
前歯の歯並びが崩れると見た目だけでなく発音にも大きな影響を与えますので注意が必要です。
お母さんはお子さんがこのような癖がないか気をつけてください。
次回は他の癖を紹介します。
指しゃぶりの他にも歯並びが悪くなる癖というものがあります。歯並びは結構簡単に崩れてしまいます。硬い物も咬めるし歯並びは変わらないイメージがあると思います。ところが弱い力でも長時間力が加わると歯は簡単に移動してしまうのです。矯正治療もそうですよね。矯正は針金の弱い力で歯を動かして歯並びを変えていきます。指しゃぶりのように力が入っていないぐらいでも歯は動いてしまうのです。次回歯並びを悪くする癖を紹介します。
小さいお子さんがいるお母さんで指しゃぶりが気になる方がいらっしゃると思います。
指しゃぶりをいつまでもやっていると前歯の歯並びが悪くなる可能性があります。
いわゆる出っ歯になってしまうことがあります。
前歯の角度がきつくなったり、前歯そのものが前方に動いて(出てきて)しまうことがあるのです。
出来れば4歳くらいには卒業してほしいものです。
矯正をすればかなりきれいになりますが時間と費用がとてもかかります。
ご家族が気が付かなくても出っ歯になっていることがありますので詳しくは相談してみてください。
カンジダ症の治療、予防を説明します。
カンジダ症は一般の口内炎の塗り薬では治りません。
かなり重症の場合を除き局所性の抗真菌薬を使います。
カンジダ症の塗り薬です。
ただ重篤な全身疾患を持っていなければでなければ予防でかなり起きにくくなります。
予防処置としてはまずは乾燥を防ぐことです。
マスクをしたり、保湿剤、人口唾液で乾燥を防ぐこと。
そして唾液の分泌量自体が減っているような場合は唾液腺のマッサージをして自然に唾液が出る量を増やすことも大事です。
また入れ歯が入っている場合ははとにかくきれいにしましょう。
しっかり歯ブラシで食べかすをとり洗浄剤で毎日洗浄することがとても大事です。
歯磨きを時間をかけて行い、食べかすは出来るだけとりましょう。
本人が寝たきりで来院できない場合は家族の方は相談してください。
前回口の中のカンジダ菌がカンジダ症を引き起こすと書きました。
カンジダ菌は誰の口の中にでもいるのですが免疫力の低下により引き起こされます。
免疫力、体力の低下を具体的にあげると
大きな全身的な病気 糖尿病やがんなど
抗菌剤の長期の服用
免疫不全
また高齢、口呼吸による口の乾燥
なども誘発因子です。
他に局所的な原因では口腔内が不衛生だと起こりやすいです。
歯磨きをしていない、入れ歯が非常に汚れている
となるとカンジダ症は起こりやすくなってしまいます。
皆さん口の中にもカビが生えるってご存知ですか?
このカビはカンジダ菌というのが原因です。
カンジダ菌はじつは誰の口にもいるのです。
普段元気な時は体の抵抗力が強く、このカンジダ菌を押さえつけ悪さをしないようにできるのですが、いろいろな原因で体の抵抗力が下がるとカンジダ菌が増えてしまいます。
そして口腔カンジダ症が発生してしまいます。
症状としては口の中の粘膜がひりひりする。(特に食べると結構痛いです)
また口の中の粘膜の見た目が真っ白に変色(拭けばとれる苔のような感じ)し乾燥しています。
他にはなかなか治らない口角炎です。
口角は口の角というのでしょうか、上唇と下唇の境目です。
ここに炎症がおこり口内炎の薬では治りません。
次回は対処法を説明します。
今まで唾液の働きを簡単に紹介しました。
とても大事なことはわかって頂けたと思います。
この唾液ですが年とともに出る量が少なくなってきてしまいます。
70代くらいから起こり始め80代ではかなり顕著になることがあるようです。
そうなるとむし歯が出来やすくなり歯周病も進みやすくなります。
むし歯にはフッ素も効果がありますので上手に使ったほうがいいと思います。
またシェーグレン症候群など口が乾燥する病気もありますので一度診察してもらうことをお勧めします。
前回唾液にはむし歯菌が作る酸から歯を守る緩衝作用があると書きました。
まだほかにも歯を守る作用があります。むし歯菌の酸でむし歯になり始めるとまずは脱灰といい表面が弱くなります。
穴までいかない状態ですが表面のエナメル質がガサガサになりとてももろくなってしまいます。
色は真っ白になり見ただけで変色がわかります。むし歯の前段階です。
この程度だとうまくいくと唾液が直してくれることがあります。
脱灰して歯から失われたカルシウムやリンを補い補修してくれることがあります。
穴になっては手遅れですが初期のむし歯は体がなおしてくれることがあります、すごいですね。
前回唾液の働きとして免疫作用があると書きました。
体の中で一番大きな、外の世界との通路ですから優秀な防御機能を人間は持っているということです。
でも他にも唾液には大きな役割があるのです。それは歯を守るということ。
歯はよくむし歯でその機能が失われます。
むし歯は食べかすなどに付いた細菌により穴があくことです。細菌から出来る酸のより歯が溶けてしまうことです。
イメージとしては食べかすを食べてそのおしっこが強い酸であるために穴があいてしまう、こんな感じです。
唾液はその酸を中性に戻そうとする力があります。
難しい言葉で言うと緩衝作用といいます。このようにおしっこの強い酸をマイルドにして出来るだけ弱くして歯が溶けるのを防いでくれます。
しかし、この力も限度があるので、食べかす、細菌をためないように歯を磨きましょうということです。
口の中から常に出てくる唾液。
とても重要な働きがあります。
唾液によって口は守られているといっても過言ではありません。
まずは免疫、抗菌作用
様々な抗菌物質により細菌の発育、増殖を防ぎます。
口は面積が大きく、常に食物が入ってきます。
食物と一緒に様々な細菌も入ってきます。
歯に着いた食べかすなどに働きかけ細菌の発育、増殖を抑えるように働きかけます。
特に免疫グロブリンが色々な悪さをするミュータンス菌などに作用し増殖を防ごうとしてくれます。
唾液の出具合が悪くなるとちょっとした食べかすに住み着いた細菌で歯ぐきが炎症を起こしたり、むし歯が出来やすくなってしまいます。
高齢で唾液の出が悪くなるとむし歯や歯周病が進みやすくなってしますます。
今までいろいろ難しい話をしてきましたがこれが最後のデータの話ですです。
定期的に歯科検診を受けている人ほど年間の医療費が少ないというデータもあります。
歯科検診を年に3回以上受けてらっしゃるかたと歯科検診を受けない方とは年間で9万円の医療費の差がありました。
歯科検診を受け、適切な治療を受けることは全身的にも良い影響があることがわかっています。
前回と今回のブログのデータは平成25年度の香川県での実態調査のデータです。
何回か歯周病についていろいろと書いてきました。
ほかに面白いデータがあります。
歯周病の程度により医科の医療費がどれほど変わるのか?というデータです。
歯周病がない方 医科での治療費は年間145000円
歯周病が軽度の方 医科での治療費は400000円
歯周病が中等度の方 医科での治療費は440000円
歯周病が重度の方 医科での治療費は430000円
歯がない方 医科での治療費は680000円
となっております。口の中が健康であるほうが明らかに医科の治療費が安い、医科にかかっていないということがわかります。
前回書いた歯周病は万病のもとというのがこのようなところからもいえるのではないでしょうか。
歯周病は万病のもとと前回書きましたが具体的にはどんな病気と関係があるのでしょうか。心臓病 心臓病を引き起こすリスクは健康な歯ぐきの人の3倍。
糖尿病 歯周病は糖尿病の第6の合併症
肺炎 歯周病菌が原因で誤嚥性肺炎を引き起こす
脳梗塞
動脈硬化
骨粗しょう症
アルツハイマー型認知症などがあります
また妊婦さんがひどい歯周病のなると低体重児出産の可能性がありこれは健康な歯ぐきの人の7倍以上と言われています。
このように歯周病菌の毒素が血液中にはいることで歯ぐきだけでなく全身の健康を害することが最近の研究で明らかになってきています。
歯周病は30歳以上の方は8割がかかっているといわれています。
ほとんどの方です。
そして歯周病は様々な病気を引き起こしたり、病状を進行させるリスクファクターとなることがあります。
歯周病はプラーク(食べかす)や歯石にいる細菌の感染症です。
歯ぐきは血管がはりめぐらされています。
歯周病菌は歯ぐきの血管をとおり全身にめぐってしまいます。
歯ぐきが壊れるだけでなく全身に悪影響を及ぼすことになるのです。
皆さんは歯の数と認知症に関係があることをご存知ですか?
歯の数が極端に少ないと認知症になるリスクが約2倍になるといわれています。
これは歯がほとんどなく、義歯を入れていない方と歯が20本以上残っている方との比較をした場合です。
ところが義歯を入れると平均とほぼ同じくらいにリスクが下がります。
たくさん歯を失いそのまま放置すると認知症のリスクは確実に増えてしまいます。
またこの期間が長いほど認知症になる率が増えてしまいますので歯を大事に、また歯を失ってしまったら義歯をできるだけ入れましょう。
歯がしみる原因は大きく分けて2つです。
皆さんご存知のむし歯。
これはもちろん治療が必要です。
もう一つは知覚過敏です。
よく歯磨き剤のCMをやっているので聞いたことはあるのではないでしょうか。
知覚過敏は歯の神経が過敏になって見た目は問題がないのですが冷たいものや触ったりすると痛いなどの症状です。
ただ知覚過敏が起こった背景というのは歯によって違う可能性があります。
そこから今まで気が付かなかった問題点なども出てくるので気になる場合は相談してください。
今回も痛みの話です。ずっと何もなかったのに突然激しい痛みが起こったけど痛み止めを服用したりしていたら痛みがなくなってしまった。
もう痛くないから大丈夫かな、なんて思ったことありませんか?歯の痛みは治療を受けない限りは治りません。
自然治癒はないでしょう。
ただ単に一時的に小康状態になっただけです。
痛くなくてもダメージは進行しますので必ず診療を受けましょう。
前回の続きですがクリニックでの治療中の痛みは大抵は何とかなります。
ただ帰宅後に痛みが出てしまうことはどうしてもあります。
根の治療をしているとき、深いむし歯をとり神経近くまで削った時、歯を抜いた時には痛む可能性があります。
もちろん痛みが出ないよう最善を尽くしていますが、痛むときには処方した痛み止めを服用し激しい痛みの時は連絡をしてください。
クリニックでの治療中痛いときは合図をしてください。
だいたいは痛いか痛くないか分かりますが確実にはわかりません。
大抵は痛みを我慢しなくても治療できますから。
ただ帰宅後はまた状況が違います。
もちろん帰ってから痛くないようにしているつもりですが、先が読めないこともたまにあります。
その話はまた次回で。
大きな手術前には歯のクリーニングを受けましょう。
歯が汚れていて細菌が多く口の中にいるとたくさんの細菌が気管や肺に入ってしまうことがあります。
手術後は体力、免疫力が下がっていますので細菌が呼吸器に入ると重い肺炎など術後の合併症を引き起こしかねません。
現在国立病院やがんセンターなどの基幹病院では大きな手術では数日前に歯科を受診してもらい歯のクリーニングを受けてもらうことがとても多いです。
歯周病がひどいと全身麻酔の時の気管まで入れる人工呼吸のチューブを伝い肺まで歯周病菌が入り、肺炎を起こすことがわかっています。
たかが歯周病と軽くみてはいけません。
「歯ブラシはどのようなものがよいですか?」とよく聞かれます。
選ぶ基準は色々あるのですが大まかに言って大きさと硬さです。
あまり大きいものはお勧めしません。
やはり細かい所まできれいにしなくてはいけませんから大きすぎると毛先が当たらない所が出来やすく汚れが取れにくいことがあります。
また硬すぎると何年も使い続けると歯の表面が傷ついたりします。
柔らかすぎるとコシがなく汚れをかきとりにくくなります。
実は歯ブラシによって結構汚れの取れ具合は違ってきます、毎日に事なのでそれがつもりつもると・・・歯ブラシの選び方も重要なのでわからなければぜひ聞いてください。
先日京成ホテルミラマーレで千葉県歯科医学大会が行われました。
これは千葉県歯科医師会が主催する学会で約1年ほど前から準備をしてきました。
私もその大会実行委員として準備、当日の司会、座長などをやってきました。
本当に終わってほっとしています。
2年に一度で今回2回目ですが普段の診療の合間に講師の選定から手配、他団体との打ち合わせなど普通に医院で働いているだけでは経験できないことを学べました。
もちろん学術的なことも勉強になりましたが。
これでしばらくは平和に過ごせそうです。
痛みが引いてしまうと治療が途中でも来院しなくなる方がたまにいます。
これ非常に歯に悪いです。
一日で終わらないときは、むし歯で汚染されているところを取ったりしているので歯に穴があいていて仮の蓋がしてあることが多いです。
これはあくまでも仮のもので長期の使用に耐えられません。
取れてしまうと穴の開いたところから細菌が大量に入り込みまたむし歯など感染を引き起こします。
外側のエナメル質は非常に強いのですが内側の象牙質はとても弱いです。
象牙質はむし歯の進行も抵抗力も弱いのであっという間にダメになってしまいます。
せっかく残せた歯もいつのまにかにボロボロになってもう歯を抜かなければいけないということになりかねません。
勝手に中断するのはとても危険です。
子供さんの歯磨き難しいですよね。
汚れが落ちているのかよくわからないと思います。
実際汚れが落ちていないことが多いです。
歯ブラシの使い方に関してはまた後日。
今日は歯磨き剤に入っているフッ素についてです。
フッ素は歯を強くし、むし歯菌に対する抵抗力を上げ、むし歯になりにくくなります。
ぜひ有効利用しましょう。
常識の範囲内で使う分にはとても安全です。
ポイントは歯磨き後にうがいしすぎないことです。
1~2回軽~くうがいすればオッケーです。
何度もうがいすると歯磨き剤に入っているフッ素は全部口から出ていってしまいますからね。
もう10日ですがあけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
今回はむし歯が出来やすいお子さん、についてです。
「この子は歯が弱いみたいですぐむし歯が出来るのですが。ちゃん歯磨きしているのに」
とクリニックでよく聞きます。
でもちゃんと磨けているでしょうか?歯磨きって意外に難しいです。
私も自分の子供の歯磨きは暴れたりすると「暴れたら磨けないよ!」なんてことあります。歯磨きはもちろんやらなくてはいけないのですがむし歯ができてしまったお子さんは特におやつを見直してみましょう。
スナック菓子は歯にへばりつきやすいです。
また砂糖がはいっているお菓子は出来るだけひかえましょう。
あとジュースです。
100%果汁も乳酸菌もスポーツドリンクもすべてむし歯の原因になると思ってください。
すべて「たまに」食べるくらいにして出来るだけ控えたほうがいいです。
喫煙は呼吸器には非常に悪いことは皆さん知っていますよね。
口にも非常に悪いです。
粘膜すべてに悪影響を与えます。
とくに歯ぐきはとても弱くなりますので歯周病が進行します。
悪くなる自覚がなかなか出てこないので気づいていないだけのことが多いです。
自覚が出たときはもう手遅れで抜歯ということがありますので皆さんぜひ禁煙しましょう。禁煙無理かな・・・という方も禁煙外来を受診されると効果あるようですよ。
皆さん聞いたことあるかもしれませんね。高齢化社会の需要なキーワードになると考えられています。フレイルとは加齢に伴い心身の活力が低下している状態です。健康と要介護の中間状態を意味しています。サルコペニアとは筋肉量の減少と身体機能の低下を意味してフレイルの重要な要素と言われています。
人はものを食べたり飲み物を飲むのはすべて筋肉を使っています。サルコペニアは口周囲の筋肉にも表れ、筋力が弱まると食べかすなどについた細菌があやまって呼吸器にはいり肺炎を起こしたりします。口の周りの筋肉や、舌の筋肉を動かしてお口の周りのサルコペニアを防ぎましょう。お口の運動方法もあるので知らない方はお尋ねになってください。
先日歯ぐきにできものがあるのですが・・・と言われました。
確かに直径5ミリほどのできものが。
これは歯の中が細菌感染をおこし、細菌が歯ぐきに漏れ出すと起こります。
大抵は膿をともない勝手につぶれてしまうことも多いです。
痛みがないこともありますが治療をしたほうがいいことが多いです。
歯の根が傷んでるか、歯周病の可能性が高いです。
細菌が周りの歯まで巻き込むと大変ですので診察を受けましょう。
→根の治療
→歯周病の治療
受診の際は、必ず健康保険証をお持ちください。
保険証がない場合、自費での診療になりますのでご注意ください。