妊婦さんの口の中の変化

 妊婦さんはホルモンバランスの変化により体にいろいろな変化が起きますが、口の中も例外ではありません。
むし歯や歯周病は悪くなりやすく、また歯周病は早産の原因ともなります。

 妊娠初期ですがつわりに伴う嘔吐や食の好みの変化が歯にダメージを与えます。
胃酸は酸性ですので何度も嘔吐すると歯を直接溶かしていきます。
また酸性のものを好む傾向にありますので酸性の食物が歯に悪影響を与えやすいです。
唾液の量も減りネバネバ感が強くなりますので食べ物も停滞しやすくなります。
歯ブラシでしっかり磨けないことももちろん悪影響を与えます。

 また女性ホルモンの増加による影響で歯ぐきが腫れやすく、出血しやすくなります。
特に前歯の歯ぐきに起こりやすいのですが、これは妊娠性歯肉炎と呼んでいます。

 妊婦さんが歯周病にかかると歯周病菌や炎症物質が血管に入りこみ、血液とともに子宮に運ばれ子宮に収縮をもたらすといわれています。
これは胎児の発育不全も引き起こすと考えられています。

 歯肉炎とは違いデキモノがぽつんと一つできることがあります。
これはエプーリスといわれる良性のもので、たいていは妊娠16週前後におこり出産後自然に消えることが多いです。
痛みはないですが触ると少し痛いかもしれません。
大きくなるととても邪魔です。

このように妊婦さん特有の症状が出ることがあります。
次回は妊婦さんの口腔ケアをご紹介します。

2017年11月08日